フィリピン人が英語を話せる割合は63%|「世界3位」の実態と、その訛りは通じるのか
「フィリピン人って、どのくらい英語が話せるんですか?」
留学を検討している方から、本当によく聞かれます!先に数字だけ書きますね。
英語を話せる人の割合は約63.73%。人数にして約6,400万人で、世界5位です(2018年時点のデータ)。
「あれ、フィリピンって世界3位じゃなかったの?」と思った方。そうなんです、そこがこの記事のいちばん面白いところでして(笑)
私はセブ島で10年、英語学校をやっています。この「世界3位」という数字がどこから来たのか、そして実際のところフィリピン人の英語は通じるのか。訛りはどうなのか。全部正直に書きます!
フィリピン人が英語を話せる割合は63.73%
最初にランキングから。「英語を話す人の人数」で並べた世界の上位5カ国です。
| 順位 | 国 | 英語を話す人数 | 話せる人の割合 |
|---|---|---|---|
| 1 | アメリカ | 約2億8,316万人 | 95.46% |
| 2 | インド | 約1億2,534万人 | 12.18% |
| 3 | パキスタン | 約1億803万人 | 57% |
| 4 | ナイジェリア | 約7,900万人 | 53.34% |
| 5 | フィリピン | 約6,402万人 | 63.73% |
| 6 | イギリス | 約5,960万人 | 97.74% |
※2018年時点のデータです。数字は調査によって変わるので、あくまで目安として見てください。

フィリピンは6,400万人でイギリスより上。人数で見れば、たしかに「英語大国」です!
「世界で3番目に英語を話す国」のカラクリ
さて、本題です。留学エージェントのサイトでよく見かける「フィリピンは世界で3番目に英語を話す国」というフレーズ。あれの出どころを説明します!
このランキングの計算式は、人口 × 英語を話す人の割合。ただそれだけです。英語の「レベル」はいっさい考慮されていません!
そして2016年時点の集計では、フィリピンで英語を話す人の割合が92.58%と評価されていました。人口1億弱の92%ですから、約8,980万人。これで堂々の世界3位、イギリス・カナダ・オーストラリアより上、となっていたわけです。
ところが2018年の同じデータを見ると、割合が63.73%に落ちています。他のトップ10の国はどこも大きく動いていないのに、フィリピンだけ92%から63%へ。これで3位から5位に後退したのです。
| 国 | 2016年 | 2018年 |
|---|---|---|
| アメリカ | 95.8% | 95.46% |
| インド | 11.4% | 12.18% |
| フィリピン | 92.6% | 63.73% |
| イギリス | 97.7% | 97.74% |
| カナダ | 85.2% | 80.1% |
63%。セブに住んでいる人間の感覚としては、まあこんなもんかな〜という数字です。いや、正確に言うと、もう少し低いかも?とすら感じます。
だから正直に言いますね。「世界で3番目に英語を話す国」を売り文句にしている留学エージェントがありますが、あれは誇大広告だと私は思っています。
学校を運営している側がこれを言うと損なのは分かっています(笑)。でも、盛った数字で来ていただいて現地でガッカリされるほうが、よっぽど損だと思うのです。
英語力の「質」で見るとフィリピンは何位か
人数の話ばかりしても仕方がないので、質のほうも見てみましょう!英語の流暢さ(Fluency)を評価した、別のランキングです。
| 順位 | 国 | スコア | 評価 |
|---|---|---|---|
| 1 | オランダ | 71.45 | Very High |
| 2 | スウェーデン | 70.40 | Very High |
| 5 | シンガポール | 66.03 | Very High |
| 13 | マレーシア | 61.07 | High |
| 15 | フィリピン | 60.59 | High |
| 27 | インド | 56.12 | Moderate |
| 37 | 日本 | 52.34 | Low |
フィリピンは15位で「High」。これは納得の順位です。こんなもんだと思います。これまでが過大評価されていただけですね。それでも世界有数の英語大国であることに変わりはありません!
ひとつだけ文句を言わせてください。シンガポールとマレーシアがフィリピンより上、というのは体感的に同意できません…現地で接している感覚だと、フィリピン人のほうが遥かに上だと思います。
一方の日本は37位で「Low」。相変わらずの低評価ですが、これはある意味仕方がないと思っています。日本にいると日本語だけで全部が成立してしまいますし、そもそも日本語は英語からいちばん遠い言語のひとつですから。この話は言語間距離の記事に詳しく書きました。
フィリピン英語の「訛り」について、3つの事実
ここからが、留学を考えている方がいちばん気にする部分だと思います。先に結論を書きます。
- 多くのフィリピン人が話す英語は、フィリピン流の発音です
- 「フィリピン人の英語はネイティブのようだ」と言う方がいますが、違います
- 「フィリピン英語はアメリカン・アクセント」と言われますが、これも違います
これはセブの多くの英語学校の講師にも言えることです。うちの講師も含めて、ですね。
別にフィリピンの英語をけなしているわけではありません。むしろ非英語ネイティブの国としては、フィリピン人の英語力は間違いなく世界トップレベルです!素晴らしいと思っています。
そのうえで、重要なポイントが3つあります!
1. 多少の訛りがあっても、世界中で通じる
フィリピンのGDPの10%は、OFW(Overseas Filipino Workers=海外出稼ぎ労働者)が稼いでいます。そしてフィリピンは、インドに次ぐアメリカ企業のアウトソーシング先です。
世界中で働き、アメリカ企業の電話対応を引き受けている。その根底に「通じる英語」があるのは明らかですよね?
2. 日本人には、とても聴きやすい
フィリピン人の母国語の母音は、日本語とほぼ同じです。ほぼ「アイウエオ」なのです。だからフィリピン人同士の会話を聞いていると、意味は分からなくても音そのものは大体聴き取れます。英語ではそうはいきませんよね…
第二言語・第三言語は、必ず母国語の強い影響を受けます。インド訛り、スペイン訛り、フィリピン訛り。英語には世界中にいろんな訛りがありますが、同じ母音を持つ者として、フィリピン訛りは日本人には何とも聞き取りやすいのです!
3. そもそも、話しやすい相手である
フィリピン人、いつもニコニコ笑っています。彫りの深い大きな欧米人と話すより、格段にリラックスできるはずです。
これが「フィリピン英語は訛っているけど、英語を勉強するには最高の場所」と私が言う理由です。特に初心者の方にとっては!
私がイギリスのモノマネでセブに来て、失敗した話
訛りについて、自分の失敗をひとつ。
私は以前イギリスに住んでいました。向こうでは、イギリス人のモノマネばかりしていました。そうしないと通じなかったのです。
そしてイギリスからセブに来て、同じイギリス人のモノマネのまま話したら——全然通じませんでした。
英語ってそういうものなんですよね。今では私、フィリピン英語のモノマネが得意です(笑)。現地の人と話すときはいつもフィリピン英語です。
ついでに、もうひとつ正直なことを。「通じやすさ」だけで言えば、圧倒的にイギリスのほうが上です。先方はネイティブなので、こちらの不完全な英語もしっかり拾ってくれます。コミュニケーションは本当に取りやすい。
ただし、その代わり彼らは容赦なく早口です(笑)。そして費用は3倍。どちらがいいかは目的次第ですね。
ネイティブからの評価は、けっこう厳しい
フィリピン人の英語力を絶賛する動画がYouTubeにあって、そのコメント欄を眺めたことがあります。荒れてました…
半分以上は、英語ネイティブによる厳しい評価でした。要約すると、こんな主張です。
- 中国語話者やインド人、ロシア人よりクセのないアクセントではある。でもアメリカ人やイギリス人のように話すと思ってはいけない
- he と she、him と her を取り違える人が多い(フィリピンの言語に性別の区別がないためです)
- 安く留学したいならアリだが、価格に見合ったものしか得られない
him と her の件は、正直そのとおりです。うちの講師陣は英語教育のプロなので間違えませんが、街で話す一般のフィリピン人はこの通りですね。
一方で、擁護する意見にはこういうものもありました。「英語を話すことと教えることは違う。ネイティブは語彙は膨大だが、問題はそれをどう教えるか。フィリピン人講師はそれが上手い。なぜなら自分たち自身が英語学習者だから」
私はこの意見に賛成です。「話せること」と「教えられること」は、まったく別の技術なのです!
で、フィリピンで英語を勉強して大丈夫なのか?
ここまで厳しい話も書いてきたので、結論を言います!
大丈夫です。安心してフィリピンで英語を勉強してください!
フィリピンで「世界で通じる英語」を身につけることは、間違いなく可能です。ただし、ひとつだけ勘違いしないでいただきたいことがあります。
世界で通じる英語 = ネイティブの英語 ではありません。
フィリピン留学で英語力をつけて、そのうえで「ネイティブのような英語」を身につけたくなったら、そのときはイギリス人やアメリカ人に教わってください。順番としては、そのほうが絶対に効率がいいです!
ちなみに、うちに向かない人もはっきり書いておきます。「最初からネイティブ発音を身につけたい」という方には、セブ島留学は向いていません。それは欧米に行ったほうがいい。費用は3倍かかりますが、目的が違うのですから仕方がないと思うのです。
逆に「まず英語を話せるようになりたい」「英語への苦手意識をなくしたい」という方には、これ以上ない環境です。マンツーマンで、聞き取りやすい発音で、ニコニコ笑っている先生が相手なのですから!
うちの講師がどんな人たちなのかは講師紹介のページに写真付きで載せています。全員正社員で、平均勤続年数は約6年です!
まとめ
- フィリピン人が英語を話せる割合は約63.73%、人数では世界5位(2018年時点)
- 「世界3位」は人口×割合の計算で、英語のレベルは考慮されていない
- 流暢さのランキングでは15位「High」。過大評価でも過小評価でもない、妥当な位置
- 訛りはある。でも世界中で通じるし、日本人にはとても聴きやすい
- ネイティブ発音が目的なら欧米へ。まず話せるようになりたいならセブへ
数字のカラクリを知ったうえで来ていただくほうが、現地で「思ってたのと違う」とならずに済みます。それが、学校側がこんな記事を書いている理由です!
実際に来るとしたらどのくらいの期間か、という話は1週間留学の記事と社会人向けのガイドに。料金はコース料金のページで確認できます。
「自分のレベルで通じるのか不安」という方は、気が向いたらで大丈夫なので、お気軽にご相談ください。




