CELTAで出会った本物の英語講師たちと、僕が学んだこと

CELTA取得から見えた「英語講師」という生き方の可能性

今から6年前、2019年のことです。
僕はセブで語学学校を運営しながら、英語教師としてのキャリアを模索していました。

そんな時期に訪ねてきてくれたのが、CELTA仲間のアルフレド。
彼はエクアドル系アメリカ人。母はボリビア出身で、スペイン語と英語をネイティブ並みに使いこなすバイリンガル。
いや、正確に言えば「バイ・ネイティブ」と呼ぶべきでしょう。

*CELTA: 英国ケンブリッジが認定する英語講師の資格

彼はアメリカで言語学の修士を取り、ニューヨークで通訳として3年勤務した後、韓国へ。
現在は韓国の地方都市、デグの大学で韓国人学生に英語を教えています。

奥さんはロシア人で、これまた言語学の博士課程に在籍中。
アルフレド曰く「彼女の英語はパーフェクト」。
彼のまわりはまさに“国際言語ファミリー”です。

CELTAでの出会いがくれた刺激

CELTAを共に受けたのは、同年7月のバンコク。
同期16人のうち、文句なしの「Pass A」はアルフレドだろうと皆が思っていました。
でも結果は、Pass B(実は僕も同じ)。

*PassAは上位5%, PassBは上位30%以内の成績優秀者。CELTA取得者の70%の成績はただのPass

その結果を聞いた彼のリアクションが印象的でした。
“I'm pissed off.”(頭に来た)と正直に言っていた。
でも、腐らないんですよね、彼は。

すぐに彼はCELTAの上位資格、DELTAに挑戦を開始。
DELTAの“D”はDiploma。つまりCELTAよりも格上。
英語教育のプロ中のプロが目指す資格です。

彼の姿勢に、僕は純粋に感銘を受けました。
「言語の専門家」として生きていく覚悟と情熱があった。

英語講師という自由なライフスタイル

アルフレドは言ってました。
「韓国は英語講師として働くには最高の国だ」と。
ネイティブ信仰が強く、条件がとにかく良い。

彼自身、月給は2,500ドル+住宅付き。
勤務は週4日、年間3ヶ月の休暇。
地方都市ゆえ物価も安く、まさに「英語講師ライフの理想形」です。

でも同時に、こんなことも言っていました。
「妻の英語は完璧だけど、ネイティブじゃないから雇ってもらえない」。

これは、僕ら日本人にとっても無関係な話じゃありません。

英語力の底上げには「教師の質」がカギ

思い出してください。
日本人が英語を話せるようになるには、質の高い英語教師の存在が不可欠です。

文法がわかる、発音がキレイ、それだけじゃ足りません。
言語教育とは、知識と技術、そして“覚悟”が問われる専門職なんです。

“The mediocre teacher tells. The good teacher explains. The superior teacher demonstrates. The great teacher inspires.”
(凡庸な教師は語り、良い教師は説明し、優れた教師は示し、偉大な教師は鼓舞する)
— ウィリアム・アーサー・ウォード

日本人英語教師の皆さん。
あなたは今、誰をinspireしていますか?

英語講師という職業の再定義

日本人が海外の英語学校で雇われるのは簡単ではありません。
でも、日本国内やオンラインで、学び続ける生徒たちを支える存在にはなれる。
むしろ、なければならない。

CELTAを取っても、多くのクラスメートは元の職場に戻りました。
でも、僕は思うんです。

英語講師という仕事の「可能性」を、もっと日本の中で再定義していい、と。

それは単なる職業ではなく、人生のスタイルを変える「武器」になり得る。
海外で暮らしながら、手ぶらでどこでも働ける。
価値観次第では、月給50万より、3ヶ月の自由時間のほうが遥かに価値がある。

英語講師の皆さんへ:いまこそ世界に出よう

最後に、日本人の英語教師の皆さんへ。

「自分なんてネイティブじゃないから無理」と思っていませんか?
そんな卑屈な自己評価では、生徒をinspireできませんよ。