TOEICは手段、ゴールではない!私がガチ勉強派の方に勧める『英語学習の3ステップ』
今回はざっくりとですが、私がお勧めする「英語学習の3ステップ」について書いてみたいと思います。設定は社会人。大学受験以来数年(または数十年?)英語を一切勉強していない方で、かなりの高レベルを目指したい方に私なら下記を勧めます。
ステップ1:TOEICで700点を目指す
ステップ2:IELTSで6.5を目指す
ステップ3:ネイティブ圏に留学または海外就職/移住
順を追って説明します。
私はアンチTOEIC派と思われがちですがそうではありません(断言)。
まず大前提として、点数という定量的な数値は不可欠です。具体的なゴール(点数)がないとおそらく勉強は続きません。ですから、まずは「?ヶ月で?点」というゴールを設定しましょう。そういう意味で、TOEICは素晴らしいと思います。どう素晴らしいかというと、
1. 試験料が安い(5,725円です)
2. 独学で十分対応可能
3. それほど難しい試験ではないので突付きやすい
私が上記の設定の立場なら、毎月TOEICを受けます。試験料の5,725円は投資です、コストではありません。毎月たった5,725円すら投資できないようであれば何も身につきません。毎月のTOEIC受験をペースメーカーとして勉強しましょう。TOEICの参考書は本当に優れたものがたくさんあります。TOEICは日本では本当に人気があるので、勉強法等を紹介したブログも無数にあります。要は、ノウハウは簡単に手に入るのです。ですから、あとは「やるだけ」です。
そして、点数が700点くらいになったらスッパリTOEICは卒業しましょう。それ以上のスコアを目指すのは、英語力よりも「TOEIC力の養成」の比重が重くなります。セブ英語倶楽部にはこれまで、900点以上の方も含めてTOEIC700点以上の高得点者の方が結構来られていますが、残念ながら皆さん、あまり英語を話せません。これは多分にTOEICにスピーキングがないからです。こう言うと「TOEIC SWがある」と反論を受けそうですが、SW(スピーキングとライティング)の試験を受けている人ってごく僅かですよね。
それから、リスニング。当校ではディクテーションといって「聞き取った英語の書き取り」を授業で行うのですが、こうした高得点者でもなかなか正しく書き取れません(=聴き取れません)。しかし、TOEICの4択であれば正解を得られるのです。日常生活の英語に4択なんてありませんよね(笑)。ですから、TOEICは程々にして700点くらいで卒業することをお勧めします。大丈夫、700点も取れれば初級者は卒業です。
まずIELTSについて。
おそらく世界で一番汎用性の高い英語試験でしょう。TOEFLと並んでネイティブ圏の大学や大学院に出願する際に求められるのはIELTSのスコアです。また、TOEFLがアカデミックに特化している一方で、IELTSのスコアは海外就職や永住権の取得等においても基準として使われます。例えば、イギリスのナース(看護師)になるには、IELTS 7.5という非常に高いスコアが求められます。
さて、ここでもIELTSという試験を持ってきたのは「点数」をやはりゴールやペースメーカーとして使いたいからです。そして、どうして目指すべきスコアが6.5なのか、まずはここからお話したいと思います。ここでは、大学&大学院留学に焦点を当ててお話します。
例えば、イギリスの大学院では通常、IELTS 6.5以上のスコアが求められます(大学の方が大学院より要求スコアが高いことはまずありません)。実際に、私がMBA留学したSouthampton大学の要求スコアもOverall 6.5でした。有名校はOverall 7.0を要求する学校もあり、超トップ校ではOverall 7.5なんてところもあります。
Source: https://magoosh.com/ielts/ielts-scores-business-schools/
といっても、Overall 7.5を要求するのは天下のケンブリッジとオックスフォードくらいです。しかも、この2校、たった1年のMBAの学費が800万円もしますので、特別な境遇の人以外は無視しても良いでしょう。従って、現実的には高くてもOverall 7.0、一般的にはOverall 6.5を目指すことになります。そして、Overallスコア(総合点)以外に、各セクションの足切りスコアを設定する学校もあります。例えば、「Overall 6.5以上、但しReadingとWritingは最低でも6.0」といったように。
上記の現実と、アウトプット系(WritingとSpeaking)を一般的には苦手とする日本人の傾向を勘案すると、下記のターゲットスコアが成立するわけです。
Overall 6.5
– Listening 6.5
– Reading 6.5
– Writing 6.0
– Speaking 6.0
上記のスコアが取れれば、かなりの実力です(かなり難しいと思いますが)。
次にIELTS 6.5の実力について。
私の経験から「IELTS 6.5は、ネイティブの授業とネイティブ圏での生活に、どうにかこうにかギリギリ付いていけるレベル」です。要は、スタート地点です。私はMBAという学位を取得しているのですが、一言でMBAと言っても学生の英語力はピンキリです。ノンネィティブでもIELTS 7.5を持っていたクラスメートは余裕を持って授業を受けてました。
一方で、Overall 6.5に届かないクラスメートはかなり苦戦していました。実はどの学校も「要求スコアに僅かに届かない志願者」に対し条件付き合格 / Conditional Offerを出すのです。例えば、私が通ったSouthampton MBAの場合、RequirementはOverall 6.5 である一方、Overall 6.0の人には「6週間のPre-sessional Courseを受講し相応の成績を納めること」を条件に「条件付き合格」を出していました。まあ、どの学校も最終的には商売ですから。
そして、このConditional OfferでMBAに進んできたクラスメートの何名かは、私が見る限りかなり苦戦していました。実際に授業に付いていけないと弱音を吐く人もいれば、学校側から密かに「英語の補講」に出席するよう指導された人までいました。
こう見てみると、IELTS 6.5とは何とも絶妙なスコアなのです。ですから「IELTS 6.5は、ネイティブの授業とネイティブ圏での生活に、どうにかこうにかギリギリ付いていけるレベル」と書いたのです。
私は自分の経験から、ある一定レベルに英語力が達したら「英語を学ぶこと」から「英語で何かを学ぶこと」にシフトすべきと考えています。
しかし、未熟な英語力では英語で何かを学ぶことは不可能だし、時間の無駄です。そういう意味で、一つの基準となるのがIELTS 6.5なのではないかと個人的にも思うわけです。各ビジネススクールが、その受け入れ条件をIELTS 6.5としていることは、極めて妥当で絶妙な設定だと思えてなりません。
但し、Overall 6.5はあくまでも最低基準です。ここにもう一度、私の理解をもう一度書いておきます。
IELTS 6.5は、ネイティブの授業とネイティブ圏での生活に、どうにかこうにかギリギリ付いていけるレベルです。
ELTSで6.5を取って、欧米の大学院に留学しましょう。IELTS6.5を取って海外就職しましょう。IELTS6.5を取って毎日CNNやBBCのニュースを聞きましょう、そして映画を見まくりましょう。Overallで6.5あれば、何とかついていけますよ。こうして、英語を学ぶのではなく、英語をツールとして使って下さい。
最後に私の経験について。私は2007年の12月にIELTS 6.5を取得しました。37歳の時です。その時は「これでMBAに出願できる」と有頂天でしたが、当時の英語のメール等をいま読み返してみると、顔から火が出るほど恥ずかしくなります。まあ、酷いものです(笑)。いま私がこう思えるのは、その後英語を使って勉強し、英語をツールとしてビジネスをしてきたからだと思います。
以上が、私が考える「英語学習の3ステップ」です。勉強の進め方にはそれこそ無数の方法があると思いますが、上記は一つの妥当なステップだと自身の経験より確信しています。
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『フィリピン留学 ブログには書けない話』
非帰国子女として英語を10年間勉強し、
英国にMBA留学し、
フィリピンに4年住み、
セブ島で英語学校を経営してきた
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