セブ留学中の英語、それで大丈夫?失礼にならない丁寧な英語表現とは
ご存知の通り、フィリピンでは英語が公用語のひとつです(もう一つはタガログ語)。例えば市役所に行けば、表示も看板も英語。つまり、英語だけで生活が成り立つ国なのです。
ここセブ島には、たくさんの日本人が暮らしています。日本食レストランも多く、「ここ、本当に海外か?」と錯覚するレベルです。そして、多くの方が英語を使って生活しています。
ただ、その英語が「なんとか通じる」レベルであることが非常に多い。実際、日本人の多くがこう言います。
「通じればOKでしょ。難しい単語なんて必要ないよ」
もちろん、その気持ちはよくわかります。言葉は道具、ツールです。通じれば目的は果たせる。確かに、それも一理あります。でも、私はここであえて問いたい。
本当にそれでいいのか?
ちょっと辛口でいきますが、セブでは「ものすごく失礼な英語」が日常的に使われています。
たとえば、ビールを注文するときに「Beer!」とか「One beer!」とか、そんな風に言っていませんか?
それ、日本語にすれば「ビール!」「ビール1本!」ですよ。
……日本のレストランでそんな注文の仕方、します?
普通なら、「ビール下さい」とか、「ビールを一本いただけますか?」と、必ず言葉を添えますよね。
実際に、以前とても綺麗な女性が何の前置きもなく店員さんに対し「Beer!」とだけ言っているのを聞いて、内心ガッカリしたことがあります。人は中身、なんて言いますが、言葉の端々にその“中身”は滲み出てしまうものです。
センテンスで話そう!
だからこそ、きちんとセンテンス=文で話すことが重要なのです。具体的には、こう言えば十分。
- Can I get a bottle of San Miguel Light, please?
- Could I have a beer, please?
これだけ。ホント、これだけです。印象は劇的に変わります。10回口に出して練習すれば、誰でもすぐに言えるようになります。
ちょっと英語解説
まず「Can I get...?」これは実に便利なフレーズ。「〜をください」の定番表現です。
そして次の「Could I have...?」の方が、より丁寧な印象を与えます。
Couldは丁寧な依頼、Canはややカジュアルな依頼や能力の確認。
“Can expresses ability. For requests, use Could.”
(Canは能力を表す表現。依頼にはCouldを使うべきだ)
ちょっと理屈っぽいですが、彼らの言語への繊細さは見習いたいところです。
また、getとhaveの違いにも注目。アメリカでは“get”、イギリスでは“have”が好まれます。私はイギリス派なので、Could I have...? を使います。
pleaseって丁寧なの?
「pleaseをつければ丁寧になる」と思ってる人、いませんか?
それ、半分は誤りです(都市伝説です笑)。
確かに“please”は丁寧さをプラスします。ただし、それだけで無礼な言い方が礼儀正しくなる、というほど単純な話ではありません。
“Please beer.” なんて言ったら、逆に違和感バリバリです。
“please”は、文の最後に控えめに添えるのが自然です。
a beerは正しいの?
「a beer」は正しいのか?よくある質問です。
答えはこうです:
- 厳密には beer は不可算名詞なので “a bottle of beer” が正しい。
- しかし実際の会話では “a beer” で普通に通じるし、よく使われる。
つまり、文法と現実は違うということ。これこそ、生きた言語の面白さであり、難しさでもあります。
フィリピン文化に慣れすぎると…
「通じればOK」は確かにフィリピンでは通用します。
なぜなら、現地の人たちも超カジュアルで、返事をしなかったり、目も合わせなかったり、単語だけでやり取りする文化だから。
でも、そのノリで欧米に行くと、思わぬ誤解を生むかもしれません。
イギリスからセブに来た当初の私は、
「なんて無礼な人ばかりなんだ」と本気で驚いていました(笑)。
目指すのは“感じの良い英語”
私は英語がペラペラになりたいわけではありません。
でも、「通じればいい」では終わりたくない。
“You can never be overdressed or overeducated.”
(着飾りすぎても、教養がありすぎても悪くない)
――オスカー・ワイルド
つまり、丁寧すぎる英語なんてないのです。
私は言葉フェチ。語彙や表現にこだわりすぎる傾向はあるかもしれません。でも、丁寧な言葉、感じの良い英語には、人の心を動かす力があると信じています。
あと少しだけ頑張ってみよう
通じればいい。でも、その一歩先へ。
あとひとつ、ふたつ単語を足すだけで、あなたの印象は大きく変わります。
世界で“感じの良い日本人”になるために。
そう、あなたは海外に出たら「日本代表」なのです。