留学しても英語が伸びない3つの理由|帰国生でもIELTS5.5で止まる原因と、続ける仕組み

カナダやアメリカの高校に3年間通った日本人の高校生。英語はもうペラペラだと思いますよね?ところが、IELTSを受けると5〜5.5点で止まってしまう子が多いのです。英語圏の大学に入るには、だいたい6.5点が必要なのに…。
これは、うちの共同オーナーで日本人講師の『KG』が、IELTSを教えてきて見てきた現実です。3年間海外で暮らしても伸びないことがある。じゃあ、何が足りないのか?KGいわく、原因ははっきりしています!
留学しても英語が伸びない理由は、この3つです!
- ①期間の見積もりが短すぎる
- ②勉強の順番が逆になっている
- ③続かない
KGがYouTubeで15分ほど話した内容を、私(Hikky)がもう少し詳しく書いておきますね。うちは1週間から受け入れている学校なので、正直ちょっと言いにくい話も入っています(笑)。でも本当のことなので、そのまま書きます!
3年カナダにいても、IELTSは5.5で止まる

KGは英語講師になって10年。IELTSの対策は、これまでに140人ほど教えてきました。その中に、カナダやアメリカで高校の3年間を過ごした高校生が5人以上いたそうです。
IELTSは9点満点で、0.5点きざみ。アメリカやイギリスなど英語圏の大学に入るには、多くの大学で6.5点前後が目安になります。
ところが、彼らのスコアは大体5〜5.5点でした。KGも最初は「もうペラペラだろうな。自分が教えることなんてあるのかな」と思っていたそうです。でも実際に教えてみると、話した感じもやっぱり5点くらい。3年間カナダにいても、カナダの大学に入れないのです…。
これはカナダ留学の話ですが、フィリピン留学にもそのまま当てはまる、とKGは言います。私もまったく同感です!
理由①:期間の見積もりが短すぎる

「フィリピンで3ヶ月勉強すれば、それなりに話せるようになる」。こんな話、聞いたことありませんか?
KGはセブで英語学校を10年以上やっている人間ですが、あえて逆を言います。その期間では、話せるようにはならないのです。悲しい現実ですが…。
日本人にとって、英語は「いちばん遠い」言語のひとつ
2つの言語がどれくらい似ているかを表す、「言語間距離」という考え方があります。アメリカ国務省の外交官研修機関(FSI)は、英語のネイティブが学ぶのにかかる時間で、言語をグループに分けています。いちばん難しいグループに入っているのは、アラビア語・中国語・韓国語、そして日本語です。
逆から見れば、日本人にとっても英語はものすごく遠い言語だということ。文字が違う、発音が違う、語順も違う。全部違いますよね?
FSIの目安では、英語のネイティブが日本語を身につけるには、約2,200時間の勉強が必要とされています。1日2時間でも、約3年です。逆向きの、日本人が英語を身につける道のりも、同じくらい長いと思っておいたほうがいいのです。
つまり、英語がなかなか身につかないのは、みなさんの努力や能力が足りないからではないのです。英語がそもそも難しい。最初にそこを認めたほうがいい、とKGは言います!
言語間距離については、英語が日本人にとって特別難しい理由の記事で、どの言語がどれくらい遠いのかを詳しく書いています。
ヨーロッパの人が何か国語も話せるのは、言葉が「近い」から
韓国語がうまい日本人や、日本語がうまい韓国人っていますよね。もちろん素晴らしいことですが、日本語と韓国語は距離が近いので、英語に比べればずっと身につけやすいのです。
ヨーロッパの人が2つ、3つの言語を話せるのも同じ理由です。KGがイギリスにいたころ、スペイン人の友人に「英語とスペイン語は、文字が1個しか違わないよ」と言われたそうです。たしかに、その友人のノートパソコンのキーボードも英語と同じだったとか。
単語も似ています。英語のfantastic(素晴らしい)は、スペイン語ではfantástico。英語が出てこないときにスペイン語をはさんでも、なんとなく通じてしまうのです。私たちが日本語をはさんでも…まず通じませんよね(笑)。
目安は半年。留学はゴールではなくスタート地点
KGの経験では、話せるようになるには最低でも半年、腰を据えて勉強する必要があります。1週間や1ヶ月、2ヶ月の留学だけでは、話せるようにはなりません。
1週間から受け入れているうちとしては、ここが言いにくいところです(笑)。でも、これは本当なのです!
かといって、半年も留学できる人はなかなかいませんよね?仕事もあるし、お金もかかります。だからKGのおすすめは、留学と日本での独学を組み合わせて、合わせて半年と決めてしまうこと。期間を決めることが、そのまま覚悟になるのです!
留学はゴールではなく、スタート地点です。
理由②:勉強の順番が逆になっている

KGがこれから英語を本気でやり直すなら、最初の2ヶ月は単語と文法に全振りするそうです。話す練習は、そのあと。ここを逆にしている人がとても多いのです!
「話せてる風」の落とし穴
さっきのカナダの高校生たちも、ぱっと見は話せているのです。ところがよく聞くと、文法を間違えていたり、ごく基本的な単語しか使っていなかったりする。IELTSが5〜5.5点から上がらないのは、基礎ができていないからなのです!
逆に、日本で受験勉強をしっかりやって、単語と文法が頭に入っている人のほうが伸びます。それも、スピーキングもライティングもすぐに伸びる。140人に教えてきたKGが「圧倒的な事実」と言い切るくらいです!
単語と文法の知識がないまま、フィリピンで1日8時間スピーキングの授業を受けても、極端に言えば積み上がらないのです。せっかく高いお金と休みを使って来るのに、それではもったいない…。

単語帳と文法書は「1冊」をくり返す
何を使えばいいのか。KGは昔から「単語帳は評判のいいものを1冊。10冊を1回ずつやるより、1冊を10回くり返すほうが効く」と言っています。KG自身、大学受験とMBA受験で使った単語帳は、合わせて2冊だけだそうです!
本棚がきれいな参考書でいっぱいの人…いませんか?(笑)1冊をボロボロになるまで使うほうが、ずっと身につきます!
文法については、KGは昔から「日本語の本で、日本にいるうちに」と言っています。英語で文法を説明されてもよくわからなかった、という初級の留学経験者が多いからです。日本には、よくできた文法の参考書がたくさんありますよね!
文法の本で迷ったら、KGが2週間で読み切って「間違いなくいい本」と書いた『一億人の英文法』のレビューも参考にしてみてください。
授業を受けるだけで伸びる人は、少数派
KGが以前、こんな生徒さんの話を書いていました。うちに来る前に、ほかの学校で半年ほど留学していたのに、英語はまだ超初級。理由を聞くと、予習も復習も一切していなかったそうです。
授業だけで伸びる人もいますが、少数派です。授業の前に知らない単語を調べておく。授業のあとに、その日に出てきたフレーズを見直す。これだけで、同じ授業でも残るものがまるで違ってくるのです!
理由③:続かない

当たり前のことを言うようですが、みんな続かないのです。本当に。
50人に教えて、3年続いたのは1人だけ
KGは日本で働いていたころ、イギリスの大学院に留学する前の3年間、アメリカ人女性の家庭教師と週1回、カフェで90分話していました。
最後の授業のあと、豆腐が大好きな彼女を、豆腐のおいしいレストランに連れて行ったそうです。そこで「これまで何人くらい教えてきたの?」と聞いてみると…。
「延べ50人くらいの日本人に教えてきたけど、3年続いたのはあなただけ」
1年や半年続いた人も、ほとんどいないんじゃないかしら、とも言われたそうです。KGはそのとき初めてそれを知って、本当に驚いたと言っていました。大学院という目標があったし、何より週1回話すのが楽しかった。だから、やめるなんて考えたこともなかったのです。
卒業生も、続いているのはリピーターさん
これは、うちの卒業生も同じです。留学から1年後、2年後にお会いすると、英語の勉強が続いている人は半分もいない、とKGは言います。KGが勧める半年を勉強し続けた人も、やっぱりほとんどいないそうです。残念ですが、これが現実なのです…。
いや、正確に言うと、続いている人たちもいます。うちは生徒さんの約3割がリピーターなのですが、続いているのは、やっぱりこのリピーターさんたちなのです!
続けるための仕組みは2つ

では、どうすればいいのか。期間は、最初に半年と決める。順番は、単語と文法から。残るのは「どう続けるか」です。KGの提案は2つありました!
①フィリピン留学を「ペースメーカー」にする
忙しい社会人でも、フィリピンなら1週間の有給や、GW・夏休み・年末年始で来られます。日本から近くて、時差も1時間だけ。うちの学校でなくてもいい、とKGは動画で言っていました(笑)。
KGのおすすめは、1回目は準備しないで来ること。1週間マンツーマンで話し続けると、自分の英語力の低さにがく然とします。みなさん、本当にそう言います。
でも、そのショックが燃料になるのです!フィリピン人の先生と話すのが楽しくて、それもモチベーションになります。
それに、自分がどこでつまずくのかも見えてきます。リスニングが拾えないのか。単語は出てくるのに、文にならないのか。文法はわかるのに、発音が通じないのか。これがわかるだけでも、帰ってからの勉強がまるで変わります!
たとえば、こんな流れです。
- GWに1週間:自分の実力を知る
- 日本で3ヶ月、1日1時間くらい:単語と文法を中心に
- 夏休みにまた1週間:伸びたところを試して、また刺激をもらう
このあと年末年始にもう1回来れば、GWから8ヶ月ほど。留学は1回1週間でも、勉強そのものは半年以上続いている。これが、KGの言う「ペースメーカー」なのです!
次の留学の日が決まっていると、試験の前と同じで、人は勉強するのです!
1週間の留学で何がわかって何がわからないのかは、セブ島留学1週間の記事に詳しく書いています。
②あえて対面の家庭教師をつける
2つ目は、AIやオンラインの時代だからこそ、あえて対面の家庭教師。KGは、対面でなかったら3年も続かなかったと思う、と言っています。
オンライン英会話は安くて便利です。家で受けられますし、1日25分を毎日受けられるプランも多いですよね。でも、本当に毎日受けている人はどれくらいいるでしょう?月の半分でも、なかなかいないのです…。
会いに行く約束があると、休みにくい。毎週の曜日と時間を決めて、話の合う先生が見つかれば、続きます!KGは「今週あったあの出来事を、週末に英語で話してみよう」といつも考えていたそうです。
KG自身が、このやり方で4年間英語力を保った
実はKG、初めてフィリピンに留学したのは、IELTSで6.5を独学で取ったあとでした。イギリスの大学院に行くつもりだったのに、会社を辞められず、実際に行けたのは4年後です。
その4年間、いつでも6.5以上を取れる英語力を保つために続けたのが、フィリピン留学のリピートと対面の家庭教師でした。2008年から2011年まで、GWと夏休みに1週間ずつ、6回。そして4年ぶりに受けたIELTSで、また6.5を取ったのです!
ここに1人、うまくいった人間がいる。動画でKGは、そう言っていました(笑)。
1回の留学で話せるようになりたい人には、正直向いていません
ここまで読んで「なんだ、留学しても話せるようにならないのか」とがっかりした方もいるかもしれません。
正直に言うと、1回の短期留学で話せるようになって帰りたい人には、1週間や2週間の留学は向いていません。KGが言うとおり、その期間では無理なのです。
ただ、1回で終わらせずに、次につなげるつもりなら話は別です!1週間で自分の弱点を知って、日本で単語と文法をやって、また来る。このくり返しなら、1週間はちょうどいい長さになります。
もちろん、半年や1年と長く来られる人は、それがいちばんです。そういう人は、来る前の2ヶ月を単語と文法にあててから来てください。授業の吸収が、まるで違ってきます!
よくある質問
Q. 3ヶ月留学すれば、英語は話せるようになりますか?
KGの答えは「3ヶ月だけでは難しい」です。留学で終わらせずに、帰国後の独学とあわせて半年と考えてください。
Q. 英語が初心者でも、1週間の留学に意味はありますか?
あります。ただし目的は「話せるようになること」ではなく、「自分の実力を知って、勉強の燃料にすること」です。帰ってから勉強を続けて、また来る。そのくり返しで伸びていきます!
Q. 単語と文法は、どれくらいやってから留学すればいいですか?
KGなら、最初の2ヶ月は単語と文法だけに集中します。単語帳も文法書も、評判のいいものを1冊ずつ。何度もくり返してください!
Q. オンライン英会話ではだめですか?
続けられるなら、もちろんいいと思います。ただ、毎日受け続けられる人はなかなかいません。続かないと感じたら、曜日と時間を決めて会いに行く、対面の家庭教師も考えてみてください。
まとめ:留学は、半年の勉強のスタート地点
留学しても英語が伸びない理由と、KGの解決策をまとめます。
- ①期間の見積もりが短すぎる → 留学と独学を合わせて、最初に半年と決める
- ②勉強の順番が逆 → 最初の2ヶ月は単語と文法に全振り
- ③続かない → 留学をペースメーカーにする/対面の家庭教師をつける
日本人にとって、英語は本当に遠い言語です。伸びないのは、あなたのせいではありません。でも、やり方と続け方を変えれば、ちゃんと伸びます。KGがその証拠です(笑)。
言語間距離の話、1週間の留学でできること、リピーターさんの学校の選び方もまとめています。あわせてどうぞ。
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